「この地球の、日本という島国で生まれた人間、君達の間で言う、日本人という括りの種族に対しての私の認識は、非常に律儀である、ということだ。これまで君を見てきて、つくづくそう思うよ。礼儀を重んじ、義理堅く、控え目ながら、胸に秘める想いは燃えたぎるように熱い。時に謙虚が過ぎて、かえって相手をヤキモキさせるところや、やや卑屈になりがちな面、些か可愛げに欠ける部分は否めないがね。そう、私はね、君の礼儀正しく、律儀で謙虚な性質を好ましく思う反面、いつも振り回されてはヤキモキしているのさ。だが、それすらも愛おしい。だから、私は困ってしまう。いつか君に伝えた言葉を、君は記憶しているだろうか。オレンジ色の朝焼け空が美しい早朝に、私は君を乗せて、秘密のドライブに出かけたね。秘密と言っても勿論、みんなには事前に報告済みだったけれど。それでも、君の一日の、一番初めのその時間を独り占めする事は、私にとって大切に秘めておきたい、あまりにも甘美な出来事だったのさ。大袈裟だと、君は言うんだろ?あの時もそうだった。私の本音を、このスパークに誓って嘘偽りのない想いに、君は目を丸くして、困りながら照
れ笑いをしたんだ。あの時のはにかんだ姿は、とてもキュートだったよ。何を思い悩むこともなく、その姿だけを見ていたのならば、私はオーバーヒートをしただろう程にね。けれど、私があの時感じた感情は、絶望だ。…絶望だよ。君は本気にしなかったんだ。想いを受け取ってもらえないこと、無視をされることを、人間は失恋と言うらしいね。正しくそれだ。当てはまり過ぎて、本当に驚いた。しかし、私はあの後、何事もなく君と朝の散歩を楽しんで帰ったね。そうでもしなければ、本当に失うのではないかと思ったんだ。君と過ごす何気ない時間を、君の隣に居る資格を、君によって拒絶されるのではないかとね。せめてそれだけは、と、私の保守的な面が大々的に働いたわけだ。まったく、我ながら情けない。そんな事をしたところで、自分の想いを諦めることも、なかったことにすることも、できないに決まっているのに。ああ、前置きが長くなったね。結局、私が今、君に言いたいことは、伝えたいことは、問いかけたいことは、唯一つ。君はよく、私達の世話になって申し訳ないと、何かできないかと言うが、それならば、私の頼みを聞いて欲しい。この私の気持ちが、ど
うすれば君に届くのか、教えてくれないか。人間は、どうやって他人に、自分の気持ちを届けるんだね?どうやったら、君に誤魔化すなんて思わせず、逃げ道一つ見つけさせず、寸分の狂い無く伝えることが出来るんだ?」



「長いです。簡潔に。」

「……うん、ああ、うん…あれだ…あれだよ…。」

「回りくどい言い回しは上手い割に、決定打に欠けるから逃げられるんじゃないですかね。」

「ははは、手厳しい。」







This is urgent.Thanks!
君と愛を語る方法



蔵出し。



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