「……っ!!巴ちゃん、いいところで悪いけどちょっと外すよ!」
「あっ、はい。…いいところ?」
「くそっ…こういう時こそ呼ぶとこだろ!!」
「え?あ、ああ…?」
「………。」
「行っちゃった…。一体何が、あー…」
「………。」
「………。」
「………。」
「…さて、降りてきましょうか。」
「………。」
「…こーたーろーくん。」
スタッ
「………。」
「ご無沙汰してました、風魔さん。」
「………………。」
「…小太郎君。」
「…。」
「はい、あたしもお久しぶりに会えたのは嬉しいですけど…なんでよりにもよってこのタイミングなんですか…!!風魔さん、他国の忍さんと遭ったら色々マズいでしょう!かすがさんと初遭遇時に大惨事になったの忘れましたか!?」
「………………。」
「…小太郎君。」
「…。」
「そろそろ名前で呼ばないと無言の圧力かけてくるの止めてもらえませんかね…。」
「……。」
「あっ、まさか今の猿飛さんの急な退場って風魔さんの…」
「………。」
「いやいやちょっとそれはまずいでしょう!真田さん、城主なんですよ!?たとえちょっかい程度でもまずくないですか!?って、うわあ!!」
「……。」
「急に引き上げないで下さいよ!あたし一応裸なんですが!」
「……。」
「あ、手拭いどうも…。うわっ擽った…!…え?あ、薬?ですか?」
「……。」
「あーありがとうございます。でも殆ど治ってるんですよ。…ん?あれ?今更ですけど風魔さん、通りすがりですか?」
「………………。」
「…小太郎君は通りすがりですか?」
「……。」
「サラッと肯きましたけど、知っててきたんですよね。わざわざ薬まで作って…。」
「……。」
「ありがたいですけど、もうこれ以上良くして頂いても、返せるものがないんです。と言うか、いつも辺鄙なところに材料を運んで頂いているだけで充分を超えてます。」
「……。」
「ケロッとしないで下さいよ…本業もあるでしょうに、融通効きすぎです。過労死予備軍の自覚を持って下さい。」
「……。」
「首を振らないで…。かすがさんは越後の雪景色の中であんな格好してることに危機感ないし、猿飛さんは仕事と家庭に忙殺されてるのに平気な顔してるし、忍者の方って極めれば極めるほどに馬鹿と天才は紙一重状態になっていくから、見てるこっちが辛くてですねえ…!」
「アンタに心配される覚えはないんだけどねえ?あと家庭って何。」
「………oh…」
「どっかの竜みたいな話し方止めてねー。風魔と繋がってた悪い子ちゃん?」
「あの、その言い方ちょっと気持ち悪いですよ。」
「ばっっかじゃないの!!心配して飛んで戻ってきたのに何その言い種!ふざけんな!」
「なんか怒り方矛盾してません!?ごめんなさい!」
「いいからそこの伝説の忍はその子から離れてくれる?何が目的か知らないけど、どうせアンタも独眼竜とか軍神とかと同じようなもんなんでしょ。どーでもいいけど、巴ちゃんは今うちのお客さんなんだから、弁えてもらえる?」
「……。」
「うぎゃあ!ちょっとちょっと風魔さん!なんで余計密着するんですか!うわっ、」
「俺様は離れてほしいって言ったんだけどなあ?」
「なんで猿飛さんまで引っ張るんですか!?うえっ、」
「………。」
「っうぐ、」
「だーかーらー!離せって!なにアンタ戦売ってんの!?」
「せめて売るのも買うのも喧嘩程度で…うっぷ…」
「………。」
「風魔さん締めすぎ締めすぎ、っいったあ!」
「あーごめんねそこの忍が強情だから無理矢理引っこ抜くしかなくてねえ。」
「って言うかお二人ともいい加減にっ…」
「佐助!!巴殿は無事かっ!!」
「あたしが全裸だってことをスルーしないで下さいよおぉ!!!」
「なっ…」
「…。」
「あ…やべ。いや旦那、これは」
「…っ問答無用ぉお!!!無防備な婦女に暴行を働こうなど見損なったぞ佐助ええ!!!巴殿!!今お助け致しまする!!風魔殿!お覚悟!!!」
「……。」
「ええええいや助けて頂けるのはありがたいですがなんで全員武器を構えるんですか!?うわ、うわあああ!!?」