*家光とモレッティが飲みに出かけていたようです
「巴〜!父さんが帰ったぞ〜!」
「間に合ってます。」
「そんなわけないだろ〜、お前の父さんは俺だけだぞ〜。玄関開けてくれ〜。」
「ていうかモレッティさんを巻き込まないで…。」
「巴さん〜!夜分にすみません!お邪魔します!」
「ああ、母さん、父さんお願い…。で、こんばんはモレッティさん、どれだけ飲んだんですか?」
「んー、日本酒のボトルを1、2、3…えーっと…」
「はい、もういいです。よく帰ってこれましたね。」
「勿論です!日本に来たんですから、巴さんに会わないと!」
「お気持ちはありがたいですけど酔いが足に来てますよ!すみませんが靴だけは脱いでくれます!?」
「巴さん、…」
「あーあー!ここで寝ないで下さい!っていうかあたしを挟まないで下さいいたたた…!」
「ね、褒めて下さい。」
「……はい?」
「褒めてくーだーさーいー。」
「大丈夫ですかモレッティさん!?いつも陽気ですけどこういうのは見たことないですよ!?」
「俺、ちゃんと無事に戻って来ましたよ!ほら、今回は怪我も無いし、」
「えっえ!?何で脱っ、脱がないで下さっ…!こらちょっと!」
「叱らないで褒めて下さいよお。」
「分かりましたから偉いですねモレッティさんよしよし服着て!!」
「は〜い。」
「はあ…モレッティさん、脱ぐ系の酒乱なんですか?びっくりしたー…。」
「やだなあ、誤解ですよ〜。俺は無事だって知らせたかっただけで、あ、ほらどうですか?ちゃんと心音もするでしょう?」
「あーしますしますからスキンシップ過多は勘弁して下さいって!!あたし日本人ですからね!ね!」
「ははは〜巴さんー。」
「(ダメだこりゃ)はいはい、何ですか?」
「巴さん、安心してくれました?安心してもらえました?」
「…はい、お元気そうで。」
「巴さん、心配しないで下さいね。巴さんに悲しい顔なんてさせないように、俺、ちゃんと戻ってきますからね。」
「……。」
「ああ、でもやっぱり、ちょっとだけは、心配して欲しいなあ。巴さんが心配してくれてるって思えば、どんなに心臓を止めても、きっと動き出しますよ。」
「…それは逆に、仕事に差し支えあるんじゃ?」
「そ〜んなことないですよーだ。ぐー。」
「えっ!?やけに可愛い語尾からの即寝!?せめてツッコミ入れる間は下さい…じゃなくて!モレッティさん部屋まで歩いて下さいって!ほら、今日お布団干したてですから!」
「うー離れたくないですー。」
「何言ってるんですか、もう…。動かないなら運びますからね。お腹締まりますけど、吐かないで下さいよ。」
「あははっ、いやあ〜俺、親方様よりは重くないですけど、流石に巴さんに持ち上げられる程軽くは」
「よっ。」
「、」
「えっ、うわっ、モレッティさん軽っ!細いとは思ってましたけど、大丈夫ですか?背に対して体重が…うちの道場の人達より軽いかも…運びやすくてありがたいですけど。父さんが泥酔した時なんて、もう…あれは岩ですよ。あ、具合大丈夫ですか?モレッティさん?…モレッティさーん?寝ちゃいました?大丈夫かな…」
「………。」
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「ただいま、ツナ、リボーン。モレッティさんは、………」
「お、おかえり…。」
「ちゃおっス、巴。」
「おー巴!姿が見えないと思ったら、朝練だったか。精が出るな!」
「うん、おはよう。…で?」
「で?」
「…なんでモレッティさんが父さんと同じ山盛りの朝ご飯を食べてるの?」
「なんかなあ、太りたいらしいぞ。」
「…もしかして、血色良くしたい的な?」
「てめーの職業考えろ、モレッティ。」
「というかモレッティさん!吐きそうになるまで食べなくてもー!!」
「うう…大丈夫です、10代目…大丈夫です…頑張りますから…!」
「寧ろ顔色悪い!モレッティさん!まさか二日酔いに詰め込んでないですよね!?」
「大丈夫です…大丈夫です…!絶対吐きませんから…!!」
「奈々の飯を吐くのも残すのも許さないぞー。」
「こら父さん!!」
「うふふ、今朝は一段と賑やかで楽しいわねえ〜ツナ。」
「母さん呑気過ぎ!!」
騒がしい沢田家と、ちょっと悔しいモレッティ。