「いってらっしゃい」っていう言葉で見送られて、ぼくとガラシャちゃんは「いってきます」と返した。帰ってくるときはね、「ただいま」って言って「おかえりなさい」って言ってもらえたらいいなあ。まあそんなの希望じゃなくて叶うって知っているんだけど。
最近ツキヒばっかり構っていたから、すっかり拗ねていたからぼくがハルヒでガラシャちゃんがツキヒにそれぞれ乗って。しばらく進んだ先で、ハルヒとツキヒを静止させてガラシャちゃんを振り返る。


「…ここで分かれ道なんだけど……先にどの国に行く?」
「わらわはミオに着いてゆくぞ!ミオが選ぶといいのじゃ」
「えええ、それが一番困るなあ…」


ううんと唸りながら思い出した、昨日二人と話した内容。
「まあでも――あの騒がしさは嫌いじゃけっしてありませんでしたね」
「あらあたしは嫌いじゃないどころか大好きよ。だってやっぱりあそこがあたしの守るべき国で人たちだったもの」



「……決めたよう、ガラシャちゃん」
「む、どこにするのじゃ?」
「あのね、呉の国。虎の国だよ、りっくんとかしょうちゃん、あとは朱然のホームグラウンド。やっぱり最初は怖いお話の国よりも、楽しいお話の国のほうがいいでしょう?」
「そうじゃな!わらわも好物は先に食べる派じゃ、ミオもそうで嬉しいのじゃ!」
「うんやっぱりお腹空いてるときが、一番おいしいもんね!」
「よし、そうときまれば方向はこっちじゃ!」
「あ、うん……ってえええ。なんでなんにも見ないでわかるの、やっぱり明智親子なにかついているんじゃ……」
「そこはミオでも企業秘密じゃ」
「わざわざ絡みをありがとう!!」


いざ、呉国へ!





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