「ミオーー!!あたしのかわいいミオー!!」
「大丈夫ですか!?」
「ふたりとも慌てすぎ」


勢いよく部屋に入ってきて、そのまま突進してくるしょうちゃんに、いっちゃん。そして少し遅れてくる、せいちゃん。
うるうると顔を歪ませるしょうちゃんを見て、笑って。でも、こんな顔させるつもりなかったんだけどなあとちょっと反省。
どうやら夢のなかで眠りすぎたらしい。
後ろからゆっくり入ってきたせんせいたちの姿を認めると、さらに失敗した気持ちになる。


「うん、大丈夫だよう。ずっと寝てたから喉が痛いくらいかな」
「ほんとっ。声まだかすれてるじゃない、みずっ、水飲みなさい!」
「んごっ!?」
「尚香それではミオが死んでしまう」
「あっ…ごめんね!」
「っげほ、ぐ………まさかここで命果てるとは…………む、ねん……」
「誰ですか、それ」


いやほんと、ちょっと危なかったって。悪意がこもっていたように感じて仕方ないから。はあ、でもよかった。みんなは特に怪我とかしていないみたいだ、人が死ぬのは仕方ないとしてもやっぱり身近な人の怪我というのは怖いもの、でしょ。
ずっと寝てるのも失礼だからベッドから起き上がるけど、やっぱり体力がおちてるみたいで、ちょっとよろけて望ちゃんに手伝ってもらった。


「あ、ありがと」
「病み上がりだ、気にするな」
「ん!ええっと……みなさま大変ご心配をおかけいたしました?」


ぴしっと音がつくほど右手で敬礼、そのわりに疑問文だけど。


「まったくですね」
「あう、すみません…先生」
「いいえ、貴女が無事に戻ってきてくれただけで十分ですよ」
「せんせい……!」
「ふふ、ミオ。孔明さまはとても心配していたのですよ」
「月英、」
「いいじゃないですか、孔明さま」


羽扇で顔を隠してるからいつも通り表情は読めなかったけど、月英さんには叶わないみたい。えへへ、なんていうかこういうお互いわかってるっていうの素敵。とにこにこと見ていたらなんでか知らないけど、望ちゃんに頭を撫でられた。

「な、なに??」
「いや、人とは微笑ましいものだと思ってな」


くく、と笑いながら言われ、それにジト目で返す。…さっきから、前にも増して、子ども扱いばっかりな気がする。


「あら、太公望殿だって微笑ましいわよ」
「わたしのどこが…」
「ふふ、わかっていないならそれでいいんじゃないですか」
「そうね。それを見るのが楽しいから」
「………」
「わー。さっすがしょうちゃんたちだ!」
「まかせなさい!」
「尚香はなんか違います」
「ミオわかってないで発言してるでしょう」


そろそろどこかに移動しますか、といういっちゃんの一言にはた、と思い当たる。3日間寝てたということはそのあいだなんにもたべてない。


「あー、お腹すいた……のかな?」
「じゃあ食堂に行きましょうよ」
「わたしは遠慮しておこう、劉備将軍にミオが目覚めたと伝えておく」

なにしろ心配していたからな、と一言残して望ちゃんは出て行く。
諸葛亮先生と月英さんも仕事に戻るようでお大事に、と去っていく。一気に人口密度が下がった部屋が寂しいと感じる。みんな忙しいもんねーと納得してみる


「ミオー?」
「あ、うんいま行く!すっかりお腹ペコペコ」
「はい、はやく行きましょう」
「確か陸遜も食堂にいるだろうし!」


(あれ、そういえばあの三匹はどこに行った?)










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