陽炎の君 | ナノ








始めまして?



「遠坂紗雪さん。俺が今世話になってる人だよ」
「どーも、征十郎君とは遠いようなそうでもないような親戚関係です。よろしくなー」
「おー、お前があの遠坂か」
「青峰、せめて敬語を使うのだよ…」

なんやかんやで俺の回りに集まった少年たちは、やはりというかなんというか、デカい。俺も発育が悪いわけではなかったはずなんだが、こいつらを見てると世界は広いんだなと痛感せざるを得なかった。
ぐるりと眼球を回せば、金髪のそれに負けない輝いた目とかち合う。おや。

「あれ、黄瀬君でないの」
「!覚えててくれたんスか!?」
「そりゃまー。おーおー、久し振りだなあ」
「赤司っちが言ってた紗雪さんって、遠坂さんのことだったんスね!また会えて嬉しいっスー」
「みたいだなあ。まさかまた会えるとは…偶然ってすごい」

黄瀬君とは前に仕事でちょっとだけ接点があったくらいだ。だから向こうが俺を覚えてることに驚いたし、俺が名前まで覚えていたのも偶然としか言いようがなかった。何か言いたげにこっちを見てくる征十郎君に軽く説明して、青峰君と緑間君に握手を求めたら二人とも一瞬固まってからおずおずと片手を差し出してきた。一体どうしたというんだろうか。

「………あの」
「っぎゃあ!え!?いつの間に!?」
「驚かせてスミマセン…僕は黒子といいます。よろしくお願いします」
「え?え?黒子君?あ…はい、よろしく」

突然横から現れた黒子君に心臓が飛び出るくらい驚いた。失礼にも叫び声を上げてしまったのだが、黒子君は気にしていない様子で片手を差し出してくる。ああ、なんか俺より小さい子癒される……片手を握手のために差し出しながら、もう片方で頭を撫で回してみた。

「紗雪さん、帰ろう」
「あ、うん。みんなまたねー」

ほんわかと幸せ気分を味わっていたら、いつの間にか準備を整えた征十郎君が仁王立ちでこちらを睨んでいた。少しビビったけどへらりと笑ってそれを流す。

「いやあ、若いっていいなあ」
「紗雪も十分若いじゃないか」
「いやいやあ…あ、」
「?」
「名前、初めて呼び捨てにされちゃった!」
「………」
「征十郎君?」
「…はあ」
「はっは、征十郎君溜め息ばっかりだねえ」











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