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火神と黒子と



「うううもー征十郎不足」
「セージューローって誰だ」
「え…エンペラー」
「は?」
「なまえ君の双子のお兄さんですよ。ほらなまえ君、机に寝そべらないでください」
「征十郎…」
「重症ですね」
「兄貴?なんだこいつ、ブラコンかよ」
「ブラコンじゃない、征十郎がいないとなんとなくスカスカするだけ」
「スカスカ?」
「火神君には魂が別たれる感覚なんて分かんないだろうよー」
「??」
「やっぱり双子ってお互いの気持ちが分かったりするんですか?」
「まあなんとなくは」
「じゃあ今の赤司君の気持ちをどうぞ」
「え、そんな具体的には言えないんだけど……あ、」
「?携帯見詰めてどうした」
「いや、なんか鳴ったような気がして。気のせいかな」
「お前いっつも携帯弄ってっから変な癖ついたんじゃねー、の…」
「…着信ですね」
「……征十郎だ。ちょっとごめん…もしもし?うん、うん」
「…unbelievable…」
「よくそんな和製英語知ってますね」
「こないだテレビで見た。…いやしかし、あいつ顔緩みすぎだろ。つーか怖ぇー」
「僕も少しびっくりしました。なまえ君のセンサーはすごいですね…」
「最早野生だな」
「それ、火神君に言われたくないと思いますよ」
「なんでだ?」
「なんでもです」


『テツヤといたのかい?』
「ん。征十郎の話してたんだよ」
『へえ、僕の?』
「寂しいなーって思ってた」
『そうか。電話して正解だったな』
「ありがとう」
『どういたしまして』







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