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全国大会が始まり、少しずつ勝ち進んでいる立海の試合を見に来たら、の出来事だった。

「赤也!!」

「切原くん!」

とうとう赤也が悪魔化してしまったのだ。
この「ワカメ野郎」発言で柳生は殆どの読者から似非紳士だと言われるようになったんだよな…。

真っ赤に染まって、ボールを打っている赤也は、幸村が倒れたときに泣きついてきた赤也とは同一人物に見えなかった。
間近で見ると怖いねやっぱり。

試合終わりに声をかけようか迷ってしまう程には直接この目で見て赤也を「怖い」と思ってしまった。
ごめんね。

「せんぱーい!勝ちましたよー!」

立海の試合が終わって、今日は声をかけずに帰らせてもらおうと思っていたのに、元に戻った赤也に声をかけられてしまい、帰れなくなった。

「お疲れ様、切原くん怪我は大丈夫?」

「大丈夫っす!」

ニコーッと笑う彼からはたった数分前の出来事は考えられない。
結構この目で超次元テニスを見ていたけれど、慣れないものだ。
というか、この悪魔化を普通に容認しちゃってびっくりしてない彼らにかなりびっくりなんだけど。

「名字、先ほどの赤也を見て怖く無いのか?」

「怖いというかびっくりしたっていう感情の方が大きいかもしれない。あれも切原くんのプレースタイルなんでしょ?私は否定できない」

「そんな答えが返ってくるとは思わなかったぜ…」

「自分でも不思議だけど、私の知ってる切原くんは英語が苦手で無邪気なかわいい後輩だからかもしれない」

ね?と隣でニコニコと無邪気に笑う赤也の頭を撫でる。
柳は「ほぅ…」と呟いてノートに何かを書き加えている。

立海がこの試合に勝利したことで、これで決勝戦の学校が決定した。
今週末…今週の土曜日にはもう優勝校が決まっているのだ。

そして、私がこの世界に残るかこの世界から消えるか選択しなければならない期限も土曜日だ。