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全国大会のトーナメントのくじ引きが行われた翌日の今日は珍しく午前練習らしい。
ただガムシャラに練習していては意味がなく、休養もたまには必要だって柳が提案したらしい。
そこまでは私も一理あるし、幸村が帰ってきてから練習漬けだったのも気がかりだったといえば本当だけれど。

「…なんで皆で押しかけてくるんですかね」

「お昼ご飯をいただこうと思ってね。真田とジャッカルは家の用事があるから帰ったけど」

「テニス部の良心を帰宅させないで欲しいんですけど!」

お昼ご飯を作ろうと冷蔵庫を漁っていたところでチャイムがなり、最近見慣れた黄色のジャージを着た集団がモニターに映っていてびっくりした。
せめて朝に一言くれれば準備できてたというのに。
部内の良心が2人も抜けたテニス部なんてどんな無法地帯なんだ…。

「オムライスとコンソメスープでいい?材料がさすがに足りない。事前に言ってくれたらどれだけ良かったか…。あ、柳と仁王手伝って」

「なんで俺らなんじゃ」

「丸井くんと切原くんをキッチンにはいれたくないし、幸村くんは一応病人だし。柳生くんはこの3人のお守り頼みたい」

「なるほどな、では手伝うか」

料理ができるまで他の人たちにはゲームをして待ってもらうことにした。
ゲーム機はいくつか実家から持ってきていたのでよかった。

「これは確かに他の奴らには見せられんのぉ」

「冷蔵庫から野菜やらなんやらを取り出して、」と仁王に頼むとそんなことを言われた。
記憶の混在でストレスが溜まっていてかなりのお酒を買い込んでいるのだ。
それを事情を知っている彼ら以外には見られるわけにはいかない。

「大人の特権です〜。5年後一緒に呑もうね」

「……ほうじゃな」

白ご飯も炊くには炊くが、大半が冷凍されていて、その冷凍ご飯を取り出してチキンライスを作る。余ってた冷凍ご飯を食べきることができる機会ができたことはありがたい。
「グリーンピース苦手な人ー!」と声をかけると赤也が元気よく手を挙げたので、グリーンピースは抜いてあげることにしよう。

「どうだい?」

幸村はゲームに飽きたのかキッチンに顔を出してきた。
出来上がったチキンライスをお皿に分け、卵を焼く。

「もうすぐだよ〜、柳も仁王もお家のお手伝いちゃんとやってるんだね」

「姉ちゃんがうるさいけんの」

「それでもちゃんとやるの偉いよ」

コンソメスープも完成して、ゲームをしてる人達も呼んで自分のものは運んでもらう。
去年の今頃はこんな風にテニス部に関わるなんて思ってもみなかったな。