この前もお話をしたが、夏休みの課題は前半にパパッとやって終わらせる派である。
残った課題のほうが少なくなってきた頃に私は柳生に誘われてとあるテニスの大会を見に来ていた。
観覧席に海堂を見かけた時に「もしかして…」と思ったと同時に、六里ヶ丘中の奴らの立海の悪口が聞こえてきてしまった。
柳生はタイミング良くトイレに行っている。
海堂が見事に突っかかっていこうとしているのを見て、いてもたってもいられず、本能的に海堂達の方へ足を動かし、気がつくと六里ヶ丘中の奴らのほっぺたに綺麗に紅葉型にあとを残していた。
完全にやらかした。
「立海の…」
「海堂くん…だよね?久しぶり。こんな奴らに手を出して全国大会出場停止になったらどうするの。部長さんが九州から帰ってきた時悲しむよ」
「すんません、」
「なんだよお前」
「ただの通りすがりの女子中学生です」
「は?さっきコイツが立海のって言ってただろ。」
「立海に通うただの中学生です。散々テニス部の悪口言ってくれたみたいだけど、彼らの努力を知らないあなた達にとやかく言われる筋合いはないし、そうやって人の悪口しか言えない、せこいやり方でしか情報を集めないあなた達に人のことを笑ったり蔑んだりする資格はない。」
「ふざけんじゃねーよ!」
「ふざけてるのはそっちでしょ?!立海をバカにするのは許せない。青学もバカにしないでほしい。人をバカにするような人は絶対に誰にも勝てないよ。」
お前らに彼らの何がわかるんだ。
お前らに幸村の努力がわかってたまるか。
側にいて彼らの努力を見てきた。
偉そうなことだとわかっているし、でしゃばりすぎだとわかっている。でも、彼らの努力を馬鹿にされて悔しかった。
そんな彼らに勝った青学も馬鹿にされているようで悔しかった。
こんな奴らよりテニスが大好きでテニスを楽しんでる彼らを馬鹿にしてほしくなかった。
まっすぐ、そう告げ終わる。
女子に偉そうなことを言われてムカついたんだろう。
拳を振り上げられ、殴られそうになったところを柳生の登場により避けることができた。
いろんな意味でナイスタイミングです。
このあとは原作通りに、海堂と柳生は入れ替わって彼らとの試合に圧勝した。
にしても入れ替わっていると知らなかったら全くわからないくらいにそっくりだった。
「まったく、なんて危険なことをしてるんですか!!」
「つい…」
「つい、でこんなことされていたら心臓が持ちません!女の子なんですからね?!」
「海堂くんもいたし大丈夫かなって」
「たしかに彼は頼れる人かもしれませんが、自ら危ない場所へ行くのはやめてください!海堂くんも売られた喧嘩をこんな簡単に買っていたら部に迷惑がかかりますよ?」
なんだかかなり怒られてしまっている。
こんなに怒られるつもりはなかったからびっくりしてる。
海堂くんも一緒に怒られていてちょっと面白い。
「ああ、そうだ、海堂くん。私がさっき彼らに言ったことは2人だけの秘密ね。恥ずかしいから」
「もちろんです」