部屋着に着替えてベッドに倒れ込む。
ここ数週間でいろんなことがあったから知恵熱が出たんだろう。
水をぶっかけられたこともあるだろうし…。うん。
あー、ダメだもう限界。何も考えられない!
おやすみなさい!
▽▲▽
「…今何時だ。」
目をさますと外は薄暗くなっていて、西日が入ってきている。
携帯を確認すると18時と表示されていてかなり眠っていたようだった。
さすがに寝すぎたし、お腹も空いた。
冷凍していた白ご飯があったはずだからお粥にしようと思ってキッチンに向かう。
料理できるくらいには回復したけど、明日も大事をとって休むことにしよう。
せっかく教室に行こうと思って頑張ったのに出鼻をくじかれた。
お粥が出来上がり、携帯を少し確認すると幸村から"体調はどうかな?"とメッセージが届いていた。
お粥の写真付きで"熱は下がったし食欲もあるから大丈夫だよ"と返信をする。
明日は大事をとって休むことを伝えるとそうするべきだと言ってくれた。むしろ来たら強制送還するとまで言われた。
熱が出た時に1人だとすこし心細いものがあったけど、こうやって幸村も心配してくれるし、友人からもたくさんメッセージがくるしで全く心細くなくなった。
お粥を食べ終わり、片付けをしているとチャイムがなった。
誰だ?
「はーい……幸村くん?!」
玄関のドアの覗き穴から外を覗くと幸村が立っていた。
急いでガチャリと開けたところで、部屋着で髪がボサボサだということに気がついた。
せめて髪くらいは直せば良かったな…。
「幸村くんどうしたの?!」
「りんご持ってきたんだ、良かったら」
「わ、ありがとう!」
「あとこれ、プリント。」
「何から何までほんとありがとう」
「顔色も良くなったみたいだし、本当に良かったよ。ゆっくり休んでね」
「ありがとう」
じゃあ、と手を振って帰る幸村を見送って扉を閉める。
なんだろうこの至れり尽くせり感。
夢小説なのか?夢小説か。