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- ナノ -

07
あの後無事に雅治やファンクラブに見つかることなく帰宅することができた。

明日も学校があるのに、今日1日でドッと疲れてしまった。
テニス部に関わると本当にロクなことがないから関わりたくないのに。
これ以上、雅治と幼馴染ということがバレないように雅治のことはしっかり「仁王」と呼ぶことにしよう。

一夜明けた次の日、何かファンクラブの人たちにされると思っていたが、上履きも靴箱も綺麗だった。
なんなら机も昨日のままだった。

ほっと胸を撫で下ろす。

いじめられるというか、ファンクラブの人たちにはなんだか避けられている気がする。
ファンクラブに所属していない友達は特に変わった様子はないし、なんなら由美ちゃんには「生きてる?」とメッセージが送られてきた。

「一体何が起こってるんだ…?」

「ファンクラブに注意喚起したんだよ」

「注意喚起…?って、幸村くん背後に立つのやめてくれませんか」

思わず口に出していた質問を幸村くんに拾われて、答えをもらった。
注意喚起とはなんだ?
私に何かあったら何かしらのペナルティがあるってことなんだろうか。
私には利点しかないことを祈っている。

「うん。"みょうじなまえに危害を加えたものはテニスコートへ近づくことを禁ずる"ってね。これなら俺らがどんだけみょうじにちょっかいかけても大丈夫だしね。」

利点が4割ほどしかなかった。
できるだけ関わりたくないからクラス替えしてほしい。
幸村くんたちと関わる利点なんて私に一つもないし、
「ちょっかいかけられないなら危害与えられてもいいし、私と関わらないでいただきたいです。」

そう言うと、少しだけ微笑んで席についた。
幸村くんはよくわからない。

そして、お母さんから「雅治くん今日もウチでご飯食べるから誘っておいてね」とメールが来ていたのは見なかったことにしようと思う。

▽▲▽

放課後の部活のお迎えは柳くんだった。

テニス部の誰かが迎えに来ないと私が部活に顔を出さないと考えられているらしい。
大正解だ。
部員でもないのになんで顔を出さなければならないのだろうか。
顔を出す理由が見当たらない。
私のミスがキッカケとはいえ、幸村くんの謎の考えによりテニス部に関わることになったのは本当に謎でしかないし、納得していない。

柳くんに愚痴りながら部室へと向かう。
私の愚痴に対して「そうだな」とか「ああ」とか相槌を挟んで聞いてくれる。データを取られてるとわかっていてもついつい口から色んな言葉が溢れ出る。

「幸村くんはどうしてそんなにくっつけたがるのかがわからないんだよね。」

「そうだな。」

「私と仁王くんはただの幼馴染なだけだし、性格も何もかも違うし両想いとか絶対に嘘」

「仁王に好意を寄せていることは認めるんだな」

「あっ。」

「つい言ってしまったという顔だな」

「柳くんにはなんでも話しちゃいそうになるなぁ…。秘密ねこれ。仁王くんの幼い頃の話提供するから交換条件で」

「まあ、いいだろう…。」

柳くんが少しだけ微笑んだように見えたところで、今日もまたレギュラー用の部室へと到着した。
さて、今日はどんな事件が起きるのだろう。