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- ナノ -

06
少しずつレギュラーが集まってきて、雅治はまだ来ないまま。
そして、幸村が入ってきた瞬間、普通に鍵を閉めた。

待ってくれ、いくら知り合いがいるとはいえ鍵閉められると怖いんですけど?!

「さて、仁王が来る前にさっさと話を進めちゃおう」

「仁王くんは今ファンクラブの方々に捕まっていますので、あと20分ほどは大丈夫かと」

「20分もあれば終わるかな。単刀直入に言おう、みょうじさんは仁王のことどう思ってる?」

椅子をフルーツバスケットでも始めるのかという形に並べる。
ガタガタと音を立てて椅子を運ぶテニス部レギュラーちょっと面白い。
この中で1番話ができる、通じる柳くんの隣に私は座る。
みんなが席に着いたところで、幸村くんが本題を話し始めた。

雅治のことどう思ってる?と聞かれても、答え方がわからない。
幼馴染だってことはみんなは知らないわけだし、わざわざ話す気もない。

「どうって聞かれても、テニス部レギュラーで、人気者としか…」

「そっか……。仁王は君のことが好きなんだよね」

「…はい?」

「部長!それ言っていいんすか?!」

「いいんだよ、どうせ気がついてないし」

「まあ、そうみたいっすけど…」

ちょっと?かなり?面白いパワーワードを投げつけられた気がしている。
雅治が私を好きになる要素なんて無いに等しいでしょ。
向こうから話しかけに来なくなったわけだし、性格も学校での立場も違う。

たとえ、雅治と付き合うことになったとしても、私は雅治の隣には相応しくない。

「みょうじは模範的な生徒だ。仁王との接点は特にないだろう?なぜ仁王がみょうじに好意を寄せているのだ?」

「真田はちょっと黙ってて」

「真田、俺も幸村くんも気になってるところだけど頑なに柳が教えてくれないからわかんねぇんだよ」

「うむ…」

純粋な疑問を投げかけただけなのに、一蹴されちゃう真田くん。
なんかごめん。
強そうに見えるけれど、幸村くんの方が強いんだなぁ。
少し拗ねた真田くんを丸井くんが慰める。

柳くんに雅治の幼馴染として会った時に、取材を受ける代わりに幼馴染ということは絶対に誰も言わないという約束をしてもらったのだ。
きちんと守ってくれていて嬉しい。
心の中で手を合わせて、ありがとうと呟いておく。

「仮に仁王くんが私のことを好きだとして、なんで私のことを呼び出す理由になるの?」

「みょうじさんも仁王のことが好きだと思ってたからかな?あと、仁王を揶揄うのが面白そうだったから」

確実に後ろの答えが1番の答えなのではないだろうか。
だって、今の幸村くんの顔が最高に悪戯っ子の顔だ。

しばらく雅治との関係をひたすら聞かれたが、学校で起こって誰でも知りうることしかもう話せなかった。

「みょうじさんも困っていることですし、とりあえず今日はこの辺りにしませんか?そろそろ仁王くんがファンクラブに解放される時間です」

柳生くんの言葉で椅子を片付けて、帰る準備を始めたが「今日は」ってことは後々また集まることがあるってことだろうか。

お断りしたい。

でも、きっとまた幸村くんに強制連行されるんだろうな…。
私に拒否権は無いということだ。