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問題のテストでは、切原くんはギリギリ全教科赤点を免れたらしい。
私も柳くんに教えてもらったところがテストに出たためいつもより良い点を取ることができた。
良い点が取れるならテニス部との勉強会も悪くない。けど、あの空気には耐えられないから、柳くんだけに教えてもらえるように今度のテストは頼んでみようかな。

柳くんから受け取った合宿のスケジュールを最終確認のために見ながら、合宿所へ向かうバスに揺られています。
少し山の中にあるらしく、山道をバスが登っていく。
隣の席に荷物を置いて誰も座れないようにして、1人の空間を作る。

テスト期間は勉強を遅くまでしていたためあまり眠れていなかった。
もうすこしだけ寝ることにしよう、そう思って意識を手放した。

▽▲▽


ゆさゆさと体を揺らされて目がさめる。

「ん……」

「みょうじさん、着いたよ」

目を開けると目の前には幸村くんの顔があってびっくりした。
目覚めてすぐにこんな綺麗な顔見る日が来るなんて思わなかった…。
そっとバスの中を見渡すと、私と幸村くんだけで、他のみんなはもう降りてしまっていた。

「ご、ごめん!」

「ふふっ、テスト期間あんまり寝てなかったみたいだから仕方ないよ。行こっか」

そんな優しい言葉をかけてくれて、となりの席に置いていた荷物をさりげなく持って降りて行った。
あれ、テスト期間にあんまり寝てないなんて私、誰かに言ったっけ?
由美ちゃんと教室で話していたのを聞かれていたんだろうか?
でも、テスト前の席替えで幸村くんとは席が離れてあまり会話とか聞こえないはずなんだけどな…。
…柳くん情報かな。柳くん本当にいろんな情報持ってるもんね…。

そんなことを考えつつ慌てて幸村くんの後を追ってバスを降りると、辛子色のジャージを着たレギュラー陣が真田を中心に集まっていた。

私より先にバスを降りた幸村くんと真田くんでなんか会話してるんだけど、幸村くん私の荷物を手に持ったままなんだよ…。返してくれないかな…。