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わからないところがあれば聞きに来てねとは言ったが、テニス部の勉強会に呼んでくれとは一言も言ってない!

放課後、由美ちゃんと帰ろうとしているところを切原くんに呼ばれて、勉強を教えて欲しいと言うものだから、図書室にでも行くのかと思えば連れてこられたのはテニス部の部室。
見事にみんな勢揃いだ。
毎回こんな風に集まって勉強してるのだと聞いて立海レギュラー陣の仲の良さを改めて実感した。

「英語ができないとは聞いてたけど、ここまでとはね…。なんで、"これ"が"that"になるのかな…?三単現も覚えてないでしょ」

「さ、さんたんげん…?」

「三人称単数現在形!」

「初めて聞きました!」

「ぜっっっったい学校でやってるからね!?というか、テニス部の人たちに勉強教えてもらってたなら出てきてるはずなんだけど?!」

「赤也は言ってもわかんないから、ワークを丸暗記させてたんだ」

「犯人は幸村くんか…」

あまりの英語の出来なささにリアルに頭を抱えた。
この子に毎回勉強を教えているテニス部の子たちは本当にすごい…。
切原くんに一通りテスト範囲の文法の説明はしたので(わかったかはさておき)、範囲のワークの課題を与えたため、手が空いた。
少しだけ伸びをして部室内を見回してみる。

それぞれお互いの得意教科を教えあっているみたいで、こう見ると普通の中学生だな、なんて思ったりした。
真田くんに至っては見た目が中学生でないから余計にそう思ったりする。

私と一番遠いところに座っている丸井くんと雅治は相変わらず仲良しだけれど、お菓子を机に広げて食べながら勉強をしている。
本当に頭に入ってるんだろうか。
ジャッカルくんは柳くんに質問していて、真田くんと幸村くんは自分の勉強をしている。

「みょうじ先輩どうしたんすか?」

「いや、テニス部って面白いなって思って…みんな性格バラバラなのに、それをテニスが繋げてくれてるんだね」

「そうだね、個性豊かな部員だと思うよ」

シャーペンをクルクルと回しながら、私と切原くんの会話に入ってくる幸村くん。
幸村くんもペン回しとかするんだ。

「毎日楽しそう」

「本当にそう思う?」

「えっ、うん…」

部室内の空気がピリッとした。
なにかまずいことでも言ってしまったんだろうか…。もしそうならば謝らなければならない。

「あっ、あの「じゃあ、テスト明けの合宿でマネージャーしてよ」

「は?」

幸村くんから返ってきた言葉は予想をしていないものだった。
なぜ私がマネージャーをしなければならないんだ…?

「どういうことかな…?」

「そのままの意味だよ?もうすでに書類は提出してるから、みょうじさんに拒否権はないけどね。」

「いやいやいやいや、私参加するって言ってませんよね…?」

「だから、拒否権はないって。詳細はまた連絡するから」

「さ、続きをしようか」と微笑んで再びテスト勉強と向き合う幸村くん。
この部室の微妙な空気をどうにかしてから戻って欲しかった。
雅治の視線が痛い。