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結局、睡魔に負けて保健室で3時間目から昼休みまで寝かせてもらった。
かなり顔色が悪かったらしく、友人にも保健室に行くことを勧められたし、保健室に着くと先生に「早くベッドで寝なさい」と言われた。

幸村くんも何度か私に話しかけようとしていたが、トイレに逃げたり更衣室に逃げたりして、できるだけ幸村くんから逃げた。

今回のことは幸村くんが悪いわけだし反省してほしい。
あの人反省とか滅多にしなさそうだよね。

もう関わらないで、と伝えるべきなんだけれど、雅治と関わる手段がなくなってしまうと考えてしまう自分が情けなくて苦しくなる。

目覚めてしばらく経つが、動く気にならなくてボーッと白い天井を見つめていると、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り始めた。
これ以上寝るとさすがに寝すぎだし授業にも遅れてしまう。
とにかく教室に戻ろう。

「なまえ〜大丈夫〜?」

「寝たらスッキリしたから大丈夫だよ〜。たぶん寝不足」

「しっかり寝なきゃだよ?」

心配してくれている友人に「は〜〜い」と軽く返事をして5時間目の授業の準備をする。
次は理科。苦手科目の一つだ。
チラリと横目で隣の席に座る幸村くんを見る。
眠すぎてすっかり忘れていたが幸村くんと隣の席なんだった。
昨日のあの事件でよく忘れられてたなとか言われそうだけれど、眠気が凄かった上に雅治の態度がショックすぎて幸村くんのことなんて忘れていた。
ふぅ、と息を吐いたところで先生が入ってきてチャイムが鳴った。

この事件の犯人の幸村くんは何もなかったかのような顔で席に座り、ノートを広げている。
よく呑気な顔できるよなぁと思ったけれどこれくらいで動じてちゃテニス部部長なんて伝わらないんだろうなぁ、なんて謎の感情を抱いた。

先生の「教科書34ページを開いて〜」という声で意識を授業へ戻す。
ああ、眠たい。