監督からの指示があったあと解散となった。
それぞれボールや三角コーンなどを直していく。レギュラー以外は。
片付けが終わって部室に向かうと、もう他の3年は殆ど帰っていた。残っている3年も帰る準備は整っていた。
2年の嫌なあいつも残っていた。あいつがいるだけで気分が悪い。2年の中で1番気に食わなくて
1番外面がいい。レギュラーに入っている3年の前では態度が全然ちがう。
心の中で毒づきながら練習着から制服に着替えようとした。しかし、制服を入れておいたバックの中には何も入っていなかった。
直感的にあいつだと思った。そう、雄介だ。
その頃には残っていた他の3年も帰ってしまっていた。
俺は雄介に掴みよった。
「おまえだろ?」思わず大きな声が出た。部室の中の空気が固まる。
「何がですか?先輩」
雄介は少しひきつった笑いをしながら言った。
「おまえが俺の制服隠したんだろ!」
今までの怒りをぶつける様に怒鳴った。他の部員の視線が痛かったが怒りはおさまらなかった。
それでも雄介は小さく笑ったままこちらを見ていた。
「何がおかしい!」さらに語勢を強めながら言った。すると雄介は冷たく微笑みながら
「レギュラーにそんなことしていいんですか?レギュラーにも入れない人が。」
俺の怒りは最高潮に達した。雄介に掴みかかる。理性が無くなったように俺は激怒していた。
その時何かにつまづいた。勢いがあっただけに結構痛かった。部室に笑いが溢れる。
足元を見てみると他の2年の足があった。
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