それからいっそう俺の康祐への醜い独占欲はひどくなった。
と言ってもその時は男同士であることが少数派であることは分かっていたから、表に出すことはできなかった。
本当は康祐が俺のいない場所で誰かと2人きりになっていると思うだけで嫌だった。だから、出来るだけ一緒に居た。
本当は康祐に俺だけを見てほしかった。俺のことだけを考えていてほしかった。だから、俺はいつも康祐のことばかり見ていた。
本当はずっとずっとどんな時も一緒に居たかった。好きだと言いたかった。だから、俺は我慢した。
きっと俺が康祐に好きなんて言ってしまったら、ずっと一緒に居れなくなってしまうから、、、我慢した。
表に出せない想いは日に日に積っていくばかりだった。
秀に対する苛立ちも、康祐に対する愛しさも同じぐらい積っていく。
限界だった。
積るばかりの想いは捌け口を探していた。
『なあ、舜。お前大丈夫か?最近元気ないし、ずっとぼーっとしてるぞ。』
ある日康祐が突然言った。
「康祐、今日時間ある?」
『何だよ改まって。舜と俺の仲だろ、遠慮するなって。いつだって付き合ってやるよ。』
嬉しかった。康祐はちゃんと俺のことを見てくれていたんだ。俺のこと心配してくれるんだ。
俺の中に積った想いがやっと捌け口を見つけた。
この時、俺は決心した。康祐に告白することを、、、この積りに積もった想いを告げようと、、、
その日の放課後2人で人気のない公園に寄った。ベンチに腰を掛け、近くの自動販売機で買った缶コーヒーを一口飲んだ。
『で、どうしたんだよ。』
康祐が先に口を開いた。
改めて2人きりになると決心が鈍りそうになる。というか真っ直ぐな康祐の視線がちょっとだけ恥ずかしかった。
「なあ康祐。どうしたらいいと思う?」
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