もう部活終了時間は迫っていた。部活はもう終わって片付けをしているだろう。

「今日はすみませんでした。」

「いや、もういいよ。もう先生にしっかり説教してもらっただろうし。」
彼は呆気なく許されたことに少し驚いていた。

「いや、俺も2年のころあの先生に怒られたことがあったから。」
彼は納得したように笑っていた。

「あの先生話長いですよね。」

「長い長い、しかもそのあと教室に入れてもらえなかったし。」

「先輩も入れえてもらえなかったんですか?僕もです。」

その時最終下校時間を知らせるチャイムが鳴った。

「やば、もう帰らないと。」彼は慌て始めた。

「大丈夫だよ、もう少しここに残ろう。部活に行ってないのに部活生と一緒に帰るのは気まずいし。」

「でも、もう最終下校時間になったし。」

「大丈夫だって。生徒会って言えば先生見逃してくれるし。石田くんは俺が手伝わせたって言うから。」

彼は笑いながら「ありがとうございます。」と言った。
その後はたわいのない話をした。
「石田くんってサッカー部だったよね?」

「はい、そうです。先輩は野球部でしたよね?」

「うん、そうだよ。そういえば、この前の試合見に来てたよね?負けたけど…。」

「気づいてたんですか?」

「竜也を呼びに行ったときにね。」

その時には外からのざわめきの声も遠くなっていた…。
俺はもう我慢できなくなっていた。

「それにしてもユニフォーム姿可愛いね。」

「そんなことないですよ。僕なんかより先輩の方が可愛いですよ!」彼は照れていた。

「年下から可愛いって言われても…。」

「っ!すみません!」
冗談のつもりだったが彼は本気にしてしまったようだ。

「じゃあ僕もう帰ります。」
彼は慌てながら急いで椅子から立ち上がりドアの方へ向う。

「まって!!」
俺は急いで彼を呼びとめた。
2人の間に気まずい空気が流れる。俺は彼の方に近寄っておもむろに抱きしめた。
そしてとうとうこの言葉を伝えてしまった。
抱きしめたまま耳元で小さく囁いた…。

「好きだ…。」


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