東司さんは、俺の言葉に一瞬驚いたような顔をして笑って言った。
「好きだよ。可愛いし、ちょっと背伸びしたようなとこが…」
「そんなんじゃない！…そんなんじゃなくて、、、俺、東司さんのことが好きだ。」
その間、東司さんは何も言わずに黙っている。それが怖くて、沈黙が怖くて俺は言葉続けた。
「俺は、東司さんのことが好きだ。多分初めて逢った時から、、、東司さんにとって俺ってなに？」
東司さんにとって俺は何なのか、、、それは一番聞いてみたいが、聞いてはいけないこと…。
こんなこと聞いたらきっと東司さんは俺の前から居なくなってしまう…。
それでも、、、時間が来てしまえばどちらにしても居なくなってしまうと思ったから。それなら想いを伝えたい。そう思ったから聞いてみた。
やらないで後悔するよりやって後悔した方が吹っ切れると思ったから、、、
東司さんは立ち上がっておもむろに俺の顎を手で上げた。心臓がトクンと鳴った気がした。
一瞬何が起こったか分からなかった。顎を持ち上げられたと思ったら目の前に東司さんの顔があった。
唇に柔らかいものが触れている。それが何か理解する前に東司さんの顔は離れていった。
そして、東司さんは優しく微笑んで言った。
「好きだって言ってるだろ。俺も直輝のことが好きだよ。」
その表情が照れていたずらをした子供のようなくしゃくしゃの笑顔になる頃には俺は泣いていた。
涙は止まることを知らず、なみなみと溢れてくる。拭っても拭っても涙が出てくる。
そんな俺を東司さんはぎゅっと抱きしめてくれた。東司さんの鼓動が聞こえる。
その鼓動は俺のと同じように高鳴っていた。この時、初めて俺は恋をしたと思った。
これが恋なんだと思った。俺は初恋をした。
高鳴る鼓動
熱くなっていく体
笑顔で笑っている貴方、、、
その全てが俺の気持ちを証明しているようだった。
俺も東司さんの背中に手をまわしてぎゅっと抱きしめ返した。
「俺、絶対離さない。ずっと東司さんと居たい。」
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