もういくつ寝ると



お正月

それはきっと誰もが待ち望んでいるものだ。
子供の僕は何も考えずにそう考えていた。

だってお節料理も食べられて、お年玉も貰えて、一日中家でごろごろできるんだから。

それに…あの人も帰ってくるんだ。

うちは、おばあちゃんと一緒に暮らしている。つまりはお父さんの実家だ。

だからお正月には里帰りでたくさんの親戚がくるんだ。

その中にあの人はいる。

お父さんの弟の子供で俊樹くんっていうんだ。
僕よりもずっと年上のかっこいいお兄ちゃん。

高校では野球部に入っててキャプテンなんだって。僕にも投げ方とか打ち方とか教えてくれるんだ。

僕の自慢のお兄ちゃん。
大好きな大好きなお兄ちゃん。

あぁ〜早く来いよお正月。

「もーいーくつねーるーとお正月ー。」

お正月はもう目の前に迫っていた。


-END-



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