君の声
今日も聞こえる。教室に大きくこだまする、君の声。
僕の大好きな君の声…。
僕は君のことが大好きなんだ。
その笑った顔も、
照れてはにかむ顔も、
さりげない優しさも、
君の全てが大好き。
愛されていたいと思い始めたのはいつからだろう。
君を僕だけのモノにしたいと思い始めたのはいつからだろう。
狂おしいほどの感情が生まれたのはいつからだろう。
そう、きっとそれはあの日から…。
君があの人を呼ぶようになってから、、、
あの人のことが大好きだということを聞いた時から。
毎日一緒に帰っていた。
クラスの違う僕を呼びに来てくれていた。
他愛のない話をしながら夕日に照らされていた。
この道がどこまでも続いていればいいのにと思った。
だけどもうそうではない。
君は僕を呼びに来てくれなくなった。
代わりに君は今まで以上の笑顔であの人を呼びにきた。
毎日幸せそうな顔をして教室を出ていく。
君は僕に目もくれない。
一人で帰っているといつも思う。
君とあの人が二人で帰っているこの道なんてなくなってしまえばいいのにと、、、
でもいつまでもこの道は続いている。
そして今日も勢いよく教室のドアが開けられる。
聞こえるのは君の声。
大好きな君があの人を呼ぶ声。
君が僕の名前を呼んでくれることはなくなった…。
-END-