ある日、君は少し目に涙を溜めながら僕に相談してきた。

「俺、フラれちゃった…。」

僕は何て言えばいいか分からなかった。

きっと僕はこの時喜んでいたから…。
君の笑顔ではなく、君の泣き顔を喜んでしまっていたから…。

「俺、あんなにあいつのこと好きだったのに、、、あいつは俺のこと嫌いになったって、、、」



違うよ。


そうじゃないんだよ…



「あいつのことあんなに好きだったのに、、、」







好きなだけじゃいけないんだよ・・・



「一緒にいるだけでよかったのに、、、」


どんなに好きでも届かない想いはあるんだよ…。




僕からの想いが君に届かないようにね、、、


暫くして君が言ったこと

「慰めてくれてありがと。何か元気出てきた。また新しい恋でも見つけるか!で、もしまた別れたら慰めてくれよな!俺もお前が失恋したら慰めてやるからな。」

僕はまた泣きそうになった。

君の恋は僕の失恋で、君が失恋するたびに僕は喜ぶんだろうな。

そして、君が約束を守るというのなら、君は自分が恋をするたびに僕のことを慰めなくちゃいけないんだよ。
だけど、きっとその約束が守られることはない。

だって、僕はこの想いを言葉にすることはないだろうから。

もし、この想いを言葉にしてしまったとしても君は離れて行ってしまうだろうから。

僕の幸せは君の幸せ。だけど、それと同時に僕の悲しみなんだ。

だから、君が僕を『親友』と言ってくれる間に僕は君から離れようと思う。

僕が君を『大好きな人』と思っているうちに離れようと思う。

そして、いつかお互いの幸せが本当に幸せになったころにまた会おうと思う。

きっと、そんな日が来ることはないのだろうけど、そう思うことにしたんだ…。



-END-




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