試合はそのまま3対2で負けてしまった。

選手全員がグラウンドに整列して握手を交わしていた。
その間も貴博は俯いて地面ばかり見ていた。両方の選手がベンチに引き揚げた後グラウンド整備が行われた。

今まで、そこで試合があったことを消し去るように…。

良太はすっかり冷静になったようで、
「負け試合見に来るなんてタイミングが悪かったな。」と苦笑いしていた。

その間僕は先輩を見ていた。先輩は人目をはばかるように声を殺して泣いていた…。

この試合で引退なわけではないのに先輩は泣いていた

竜也が先輩に駆け寄っていった。帰る準備をなかなかしない先輩の代わりに準備をしたのだろう。肩には2つのバックがかかっていた。

竜也は泣いている貴博を見て困惑した様子で隣に立っていた。

やけに竜也と先輩の身長差が大きく感じた。


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