僕は今どこに居るんだろう。今、自分がいる場所が分からない。

居る場所も、行く場所も、帰る場所も、何も分からない…。

分かるのはただ先の見えない暗闇の中に立っているということ、、、

全てが灰色に見えた。道路の脇の花も、明るく光っているはずの街灯も、ぼやけた月も、何もかもが灰色に見えたんだ。

涙はまだ頬をつたっていた。泣いたら晋也が追いかけてきて慰めてくる気がしたから。
でも聞こえるのは自分が歩く足音だけだった…。

そのうち、公園が見えてきた。少しの遊具だけがある、寂れた公園だった。

外灯もなく、真っ暗で腰をかけたベンチは冷たかった。

砂場には忘れられたのであろう、人形が砂に埋もれていた。

多分、今の自分自身もこんな感じなのだろうなと思った。
誰からも必要とされることはなく、ひっそりと一人で暗闇に埋もれていく、、、

慣れている。そのはずだった。だけど、晋也といるうちに僕は変わっていたんだ。
晋也がいたから僕は幸せを感じて、笑って、暗闇から遠ざかっていたんだ。

一度知ってしまった心地よさは僕を暗闇に突き落した。

「…しんや…」

愛しい人の名は冷たい風の中に消え、変わりにより一層深い孤独を感じた。

いやだ。置いてかないでよ…。僕のこと護ってよ、、、一緒に居てよ…。

何でもするからさ。もう迷惑かけないからさ。今だけでも、隣に座って手を握ってよ。

君の温もりを少しだけ分けてよ…。

僕には君しかいないんだよ。
昨日も、今日も、明日も全部君が僕にくれていたんだよ。

君がいなくなったら僕はどう生きていけばいいの?僕はどう笑えばいいの?

君がいないと僕は、、、

暗闇の中に落ちたくない。もうあんな場所に戻りたくない。

僕の帰るべき場所はあそこじゃなくて君の場所なんだよ。

君はきっと分からないんだろうね、、、

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