さっき竜也を呼びに行った時に見た時は驚いた。
竜也のことを見にきている様だったけど嬉しかった。

今は校庭の隅にある木の下にその姿はある。
俺が見た時は野球にそれほど興味がないのかボーっとしていたけれど、その目線はこっちに向いているようで嬉しかった。

(こっちを向いているわけはないけど…。)

今日の試合で貴博はこれと言った活躍はあまりなかった。
そして、試合も終盤にさしかっかたときに自分の打席が回ってきた。
3対2で負けている8回2アウト。ランナー1,2塁のチャンスだった。

(これで俺が打てたら同点に追いつける。運が良ければ逆転もできる。)

他の野球部は期待している半分9回がまだあるという気持ちだったが、貴博だけはこの1打席にすべてを賭けようとしていた。

貴博にとってはこれが最後の打席になると同時に最後のチャンスになるからだ。

打席に向かう貴博は緊張しながら大きな木の下を向いて呟いた…。
「見ててくれ…」と。


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