僕はそれなりに勉強は結果を残してきた。どこに行っても恥をかかないように。
と言うかどこにでも行けるように。
あんな親がいなくても自分一人で生きていけるように必死で勉強した。
塾に何か行かせてくれるはずもなく、独学で図書館や放課後の教室で、たった一人で、、、
だから、西高に行けるくらいの学力はあるからそっちの方の心配はしなくていい。
だけど、1つ心配なことがあった。それは、資金面の方だった。
西高は私立だし、それに加えて寮に入るとなるととてつもない金額になることは容易にわかった。
かと言って晋也のように何か部活をしていないので、特待制度で金額が減額されたり免除されたりすることはない。
たとえ学力の特待で行ったとしても授業料が少し減額されるだけだ。
それに学力の特待はトップクラスのごく僅かだ。
「晋也。私立は西高として、公立はどこ受けるの?」
「何だよ、俺が西高落ちるとでも思ってんのか?これでも俺、全国大会出場したんだぞ。まぁ一回戦敗退だけど、、、」
「そんな、落ちるなんて思ってないけど、、、まぁ何となく。」
「まぁ西高行くしか考えてなかったからな、、、公立はわかんないな。」
「そっか。わかった。」
義父は会社でそれなりの地位にいるらしく、給料がよく生活には余裕がある。
毎月渡される食費は金銭感覚が少しずれているらしく、いつも余るほどだ。
だけど、それが僕のために使われることはほとんどなかった。
義父が出してくれたのは小中学の学校関係のお金と、明細書があるガス代などの必要最低限の生活費だけだった。
そんな義父が多大な金額がかかる私立高校に行かせてくれることは考えにくかった。
そんな事を考えて学校で配られた高校案内をパラパラと捲っている時だ。
ある単語が目に入った。
「晋也。ごめん、パソコン使っていい?」
「あぁ、いいけど、、、何に使うんだ?」
「ちょっとね。」
そして僕はインターネットの検索バーにその単語を入力した。