「ねぇ、晋也。今日から部活休みだよね?」

「あぁ。今日から試験休み。やだなぁ試験なんて、、、」

「今日も晋也の家行ってもいい?勉強教えてあげるから。」

「ホントかよ。ありがと〜。将大好き!」

笑いながらそんな話をする。笑いながらそんな話ができる。それがこの上なく幸せだった。
そんな事が出来るようになったのは君のおかげだから。

僕の大切な人、塩田晋也。

僕なんかを好きって言ってくれて、護ってくれるって約束してくれたんだ。

いつもは晋也が部活で遅くなるから一緒には帰ることはできないけど、今度ある期末試験のおかげで部活は休みになっていた。

晋也は嘆いていたけど、僕は嬉しかった。ただあの家に帰るのが嫌だったから、、、
晋也と一緒に居れてよかった。

話しながら晋也の家への道を歩く。通い慣れた道はいつもと変わらなくて西日が差している。
もう、何度来たか分からない晋也の家の玄関をくぐり、当たり前のように晋也の部屋に入る。

あのコルクボードには一枚の写真が増えていた。

僕と晋也で撮った写真、、、
僕の部屋にも同じ写真が飾られている。
写真立てなんて僕が持っている筈もなく晋也と一緒に選んだ写真立てにそれは入っている。

僕のたった一つの自身の存在を証明するもの、、、

「晋也はどこの高校行くんだっけ?」

「俺?俺は西高かな。」

「西高!?すごい頭いいとこじゃん!晋也そんなところ行けるの?」

「あぁ、多分な。剣道の推薦で行こうかなぁ、なんて思ってる。」

この時、迷っていた僕の進路も決定した。晋也と同じ高校に行くんだ。
それに、西高っていったら寮があって、あの家から離れることができるんだ。

そして晋也とも一緒に過ごせる。
こんなにいいことが有るのかというくらいうまくいく。

こう言うことを一石二鳥と言うんだと実感した。
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