床に飛び散った体液が窓からの光で妖艶に光っている。

(こいつは今俺に床を舐めろって言ったのか?)
当然のごとく、俺はこいつの奴隷になったので拒否する権利は完璧と言っていいほど無い。
先ほどと同じく選択肢はもう残っていないのだ。

俺は床に顔を近づける。
近くで見ると体液の他にも今までの部室の歴史である汗や泥などの汚れもある。

(こんなことになるなら掃除をきちんとしとけばよかった。)
今になってくだらない後悔をする。このことだけではない、俺の人生は後悔ばかりだ。
この学校に入学したのも失敗だったし、サッカーを始めたのも失敗だったかもしれない。

そんなことを考えていると何もかもが虚しく感じてくる。
俺は思い切って舌を使って体液とその他もろもろの汚れを舐めとる。口に苦味が広がって思わず顔をしかめる。

それでも俺は舐め続ける。今までの失敗を拭うように…。

俺が最後の滴を舐め、顔をあげると奴はもう制服を正して立っていた。

「おまえ、いいよ。ちゃんと奴隷だったよ。」
奴は笑いながらそう言って、ドアに向かった。奴はドアを開けて出ようとすると立ち止まってこう言った。
「明日も楽しみにしてるからな。」
そして、ドアが閉まる音が部室に響いた。突然俺は孤独になった気がした。

俺はこのまま奴の奴隷として中学生活を終えるのだろう。そのために学校に来るようになるのだろう。

途方にくれて立ちあがり気づいた。まだ、制服がなかったことに。

また、俺の後悔した回数が増えた、、、

-END-



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