体がどんどん泡だらけになっていく。

「将、お前肌奇麗だよな。つるつるしてる。キメが細かいって言うか…。」
そう言うと塩田君は素手で肌をさっと撫でた。
行き成りのことだったので体が反射的にびくっとなった。

「あっ!ごめんな。まだ慣れてなかった?」

「ううん、大丈夫。何かもう癖みたいなものになってるだけだから。」

「そっか。俺が忘れさせてやるからな。そのかわり俺のそばにいてくれよ…。」

僕は返事をする代わりに塩田君の方へ向き直った。塩田君の首の手を懸け、顔を寄せた。
唇と唇を重ねる。それは必死にお互いを求めあうキスだった。
僕の体についた泡が2人の間ですべすべとした感触を生み出していた。

舌をお互いに絡ませる。ヌメヌメとした感触が伝わる。塩田君の舌は甘くしとやかだった。
塩田君の顔は紅潮して鼻から妖艶に息をもらす。
その時、下半身に変な違和感を感じた。

「塩田君のここ勃ってる。」
そう言って僕は塩田君の体で一番敏感であろう場所をそっと握った。

「あっ…。好きな人とキスしてるんだから当たり前だろ。そう言う将だって勃ってるじゃん。」
その通りに僕の股間も固くなっていた。
塩田君は恥ずかしかったのか
「もう、あがるぞ。のぼせそうだ。」

そう言って塩田君は僕に頭からお湯をかけて先にあがって行った。

僕はそのあとすぐに上がって浴室を出て塩田君の部屋に行った。でもそこには塩田君の姿はなかった。
適当にベッドに座って待ってようと思ったが、またあのコルクボードが目に入った。
いつ撮ったかわからない笑顔の自分と塩田君の写真…。

「ごめん、トイレ行ってた。」
その時塩田君が戻ってきた。写真と見比べてみる。今も変わらない笑顔だった。

「ごめん、将。明日部活があるから早めに寝ていい?」

「うん、別にいいよ。」

「ごめんなこっちが勝手に呼んでおいて。」
そう言って塩田君はベッドに横になって布団をかぶった。

「えっ!?僕どこで寝ればいいの?」

「は!?将何言ってんの。早く来いよ。」
塩田君はそう言って布団をめくった。僕はその意味をすぐに理解し、受け入れた。布団に体を入れる。
もうすでに布団の中は暖かくなっていた。塩田君が後ろから手をまわしてくる。

「晋也…。僕も好きだよ。」

「あぁ」

僕は生きていける。家へ帰ったら父はいるだろう。そしてまた、暴力が始まる。それは逃れることのできないものかもしれない。
だけど、僕は手に入れた。やっと手に入れたのだ。悲しみの果てに…。

-END-








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