05




くぁああ。眠い、眠すぎる。
左側から降り注ぐ暖かな日差しは、私の睡魔をレベルアップさせた。

あのあと、部屋に行ってから速攻寝たんだけど、最近寝不足だったせいか、寝たりない。

しかも、暖かい春の日差しと満腹状態のダブルコンボ。いけない。まだ初歩的装備(気合いとシャーペン)しかないのに、レベルアップ&コンボ技をくり出したヤツに勝てるわけがない………よし。そうと決まったら、寝てしまおう。

黒板を見れば、先生が絶対値云々についてビッシリ書いていた。
予習した時に分かんなかったところはなかったから、大丈夫だろう。

教科書を立てて、机に顔を伏せる。よだれが出ても大丈夫なようにタオルを敷いて……完璧。
瞼を閉じて、意識を闇へと落とした。














パコーン!

「いたっ」

それからどれくらい経ったのだろう。
熟睡していた私の脳を襲った鈍い痛みに飛び起きると、市ちゃんを始めとしたクラスのみんなが私を見ていた。

予想外の注目に羞恥心が高まり、顔が熱くなるのを感じながら、私はおそるおそる真横を見た。

そこには満面の笑みを浮かべ、出席簿を丸めた、担任の前田先生がいた。

「苗字〜、聞いたぞ。5限から寝っぱなしだったらしいじゃないか」

先生の言葉に疑問符を浮かべながら、時計を見れば……ジーザス!今日の授業がすべて終わってる時間だ。

「す、すみま」

「俺は羨ましくて仕方なかったよぉ」

「「「あはははっ」」」

って、おーい!
それで良いのか、教師&クラスメートよ!!
内心ツッコミを入れつつ、顔に腕のあととかついてないかな、と軽く焦り始めた。
だって、クラスメートの爆笑が普通じゃないんだもん。

「あぁ、早く帰ってまつの飯が食べたいなぁ」

まつってどこの誰ですか、前田先生。
床にヤンキー座りしないで下さい、前田先生。
あなた教師じゃないんですか。

未だに止まない笑い声をBGMにしながら、ツッコミどころありまくりな先生にツッコんだ。

すると、遠くから何やら爆音が聞こえてきた。外からだよな?
そう思って振り返り、窓の外を見ると、右斜め前の建物から私たちの建物に向けて、砂煙が立っていた。
爆音は未だ鳴り止まず、どこかを移動しているみたいだ……ん?心なしか、音が大きなっていないか。



バキャーン!



その時だった。
教室の入り口のドアが勢いよくぶっ飛び、巨大な猪とそれに跨った美女が現れたのは。




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