3 ――次の日の朝。 「はぁ〜……」 朝から盛大なため息をつく。 玲がくるって言ってたし大人しく待ってなきゃだよな。 でもこういう時間が一番緊張する。 「拓真どうしたんだよ、ため息なんてついて。お前らしくないぞー」 頬をぷにぷに引っ張りながら達也が聞いてくる。 「うぅ、たつやぁ……」 「あ、城之内だ」 今にも泣きそうな俺を完全無視して指差した先には玲がいた。 廊下の壁に背もたれながら手をちょいちょいと動かして「こっち来て」と合図をしてるみたいだ。 「ごめん、ちょっと行ってくる」 おう、と短い返事をした達也は俺たちの関係を知っている。 周りのみんなは多分知らないだろう。 学校で話すことはあるけど、特別イチャイチャしてるわけでもないし。 「玲、おはよっ! それで……お仕置き、って何?」 最後のほうは周りに聞こえないよう最小限の声で聞いた。 「うーんとね、ちょっと僕についてきて」 「わ、わかった」 早足で進む玲の後を、俺も一生懸命ついていく。 ついていってる間、次第に心臓の音が大きくなっているのがわかる。 「中入って」 連れてこられた場所は、ほとんど使う人がいない薄暗いトイレだった。 言われた通り個室の中に入る。 すると玲もこの狭い個室に入ってきた。 1人しか入れないようにできてるから、いくら俺たちが小柄な体系でも狭いことに変わりはない。 「拓真。後ろむいて壁に手つけて」 「え?あ、う、うん」 あ、またどもっちゃった。俺は何かあるとすぐどもってしまうから嫌だ。 そんな関係ないことを頭の中で考えながら壁に手をついた。 「これで? どうすればいいの……?」 「下だけ脱いで」 「え、や、やだよッ……! 恥ずかしい、じゃん……」 ここは薄暗いし明るいよりはマシかもしれないけれど……。 いくらなんでも玲の目の前で裸になるなんて恥ずかしすぎるっ! 「拓真、ゆーこと聞けない? お皿割っちゃったのに?」 「うっ……」 そう言われると何も言い返せなくなる。 確かにお皿割っちゃったのは俺で、悪いと思ってるけど……。 「わ、わかったよ。やるよ! やります!」 こういう場合は恥ずかしがったらダメなんだ! 男らしく潔く脱げ、俺! ベルトを急いではずし、制服のズボンを下着ごと脱いだ。 「よくできました」 まるで小さい子を褒めるかのように言われ、後から羞恥心が襲ってきた。 あぁ、こんな恥ずかしい目に合うなんて……。 と思ったと同時に、俺も見たことがない秘密の場所に違和感を感じた。 「ひッ!? な、なにやって……」 「え? あぁ、コレいれようかなと思って」 コレと言ってポケットから取り出したものは…… 「ロ、ローター……!?」 つるつるとしたピンクのローター。 何度か使ったことがあるけど、これはとてつもなくヤバい。 快感。ただただ快感としか言い様がない。 「まさか……今日1日中、それを入れてろ……とか?」 暑くもないのに汗がだらだらと吹き出てくる。 そして案の定そのまさかで玲がこくっと頷いた。 う、嘘だろ……!? 俺が焦りと困惑で固まってる間に玲は秘部を解していたみたいだ。 「もう大丈夫かな」 ひんやりと冷たいローターを宛がわれ一気に押し込まれた。 「んッ! ふ、ぁ……」 やっぱり最初は異物感が大きい。 だけど玲が引っ張ったり押し込んだりしてるうちに気持ちよくなっていった。 「ひあぁぁ!? アッ、ちょ、スイッチ、だめっ」 何の前触れもなくスイッチを入れられたから、ビックリして大きい声を出してしまった。 中で震えられたりしたらたまったもんじゃない。 ましてや1日中こんな状態でいたら腰が立たなくなってしまう。 「やぁッ、ぁっ! 玲、お願い、止め、ひゃぁッ」 涙目で訴えてもスルーされ、ズボンを上げられた。 「よし、こんなもんかな。頑張ってね」 本当に楽しそうな顔で頑張って、なんて言われて頑張れる気がしない。 「ねぇ、待っ、ぁぁんッ!」 待ってって言っても待ってくれるわけもなく、ドアを開けて出ていってしまった。 この鬼畜め! なんて面と向かっては絶対に言えないけれど。 「うぅ……んッ! あ、ふ……行か、ないと」 俺はサボるという選択肢がなかったため、ふらふらしながら教室へと向かった。 |