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そんなことを考えて自然と頬が緩まっているとき、ふいに後ろから抱き締められた。



「な、何……?」



いきなりのことに思わずどもってしまう。


「今日、会社ですごい我慢してた」

「え……?何で?」


耳にかかる息がくすぐったくて少し身じろく。


「だってお前、シャツすごいはだけてたから」


そう言われて確かに思い当たることはあった。

今日はもうすぐ冬になるにもかかわらずむし暑かったからだ。

普段どおり厚着をしてきたら思ったより暑くて、いつもはビシッとしているシャツのボタンを2つ程あけた。

それだけの事なのに我慢してたなど言われてカァッと顔が熱くなる。


「え、で、でも夏だって開けてたじゃん」

あたふたと言葉を探し返事をした。

「まぁな。でもその時はお前と住めるなんて考えもしなかったからな」

一回こうなってしまえば自制するのも大変になる、と賢人は続けた。



耳朶をペロリと舐められ胸の奥がキュウンとなる。

そのまま啄ばむようなキスを何度もされ次第に深いキスに変わっていった。


「ふっ、ン……」


舌で上あごや歯列をなぞられ俺はすぐにトロトロになってしまう。

舌先を吸われると思わず身体がピクリと反応する。


「ンン……ぁっ…」


愛のある深いキスを堪能しているといきなり下半身を触られた。

もう主張してる欲望を、優しい手つきで触られるとより一層張り詰める。


「キスだけでこんなに濡れちゃったのか」

と言われ真っ赤になって口をパクパクと動かす。



賢人は顔にはでてないけれど俺には心なしか嬉しそうに見えた。




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