3 佐々木さんの家までは2、3分程度で着き、あっという間だった。 というか俺の家と結構近い。 15分も歩けば着く距離だ。こんなに近所だったなんて。 「とりあえず上がって。今シップ持ってくるから」 「おじゃましま〜す……」 家にあがって驚いた。 小さなアパートで部屋も簡単なつくりだけど、すごくキレイ。 1人暮らしだからもっと汚くて食べかすとかが落ちてるのかと思ったけど、全くの正反対だ。 ほこり一つない床にシンプルな家具だけが置いてあって居心地がいい。 とりあえずソファに座ってキョロキョロしているとシップを持ってきてくれた。 「どこらへんが痛い?」 「自分で貼れるのでいいです」 「いいって。貼ってあげるよ」 それくらい自分でできるからいいのに。 絶対子供扱いしてる。 だけどここで言い合いするのもめんどうだと思い、素直に指差した。 「ここらへんが痛いです」 シップを貼られた場所がヒヤリとし、気持ちいい。 長居するのも悪いと思い、帰ろうと立った時。 「痛いだろうしゆっくりしてって。飲み物も持ってきたからさ」 別にそういう優しさいらないって! 「俺、家近いんで大丈夫です。帰ります」 しかしそんなこと言わないでさ、とソファにムリヤリ戻された。 |