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「覚えてますよ。てか俺のストーカーしてたんですか?」

こんな街中で偶然会うなんてほぼありえないんだ。
そうだとしか考えられないだろう。
ギロッと睨みながら言うと、馬鹿にしたような笑い声をあげた。

「まさか。何か落とした人がいたから見てみると君だったんだよ」

そんな偶然あるかよ、と一瞬思ったが佐々木さんの顔は嘘を言っているようにはみえない。
こんな漫画みたいな再開が現実に起こるなんて。
まぁ、その相手は痴漢してきた男だけど。
これが離れ離れになった恋人と再会、とかだったらイイ展開だったろうな。

「とりあえずありがとうございました。じゃ、俺はこれで――っと、うわっ!」

ドッシーン


勢いよく前を振り向いたせいか人とぶつかり、盛大なしりもちをついた。

「いった〜」
「大丈夫?怪我してるとこない?」

お尻もじんじんして痛いけど、それより足のほうが痛い。
転んだときに捻っちゃったのかもしれない。
何とか立てたものの、少しだけ足をひきずるかたちになる。

「足痛いんじゃない?俺の家、すぐそこだし寄ってきなよ」
「いえ、平気です」

家まで約20分かかるから辛いけど、どうしても行けないってほどじゃない。

「遠慮しなくていいよ。俺、1人暮らしで誰もいないからさ」

遠慮とかじゃないし。
だけど既に身体を抱え上げられていて、強引に家に連れ込まれた。

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