5 「ンァ、んんッ…ぁぁッ……」 指の数はどんどん増え、ついに3本になってしまった。 中で指をバラバラに動かされ気持ちよくてつい、腰をふってしまいそうになる。 先走りが溢れ出てきて下着はもうたくさん濡れていた。 でもその先走りが滴ることでさえ快感になってしまう。 「ぁあ、ン、ふぁ……」 ここが電車だってことなんかすっかり忘れ、喘ぎ声をだしまくる。 前後左右の人はちら、とは見てくるけど痴漢に見慣れてるのか気にとめない様子だ。 「ンン、また、イッちゃ…ぁン……」 「いいよ、イッても」 そう言うと前立腺ばかりせめてきた。 秘部からはグチュグチュと卑猥な音が聞こえてくる。 「ヒャゥ、ァ、や……アァァン!」 2度目の絶頂を迎えた。 「お尻だけでイッちゃうなんて君は素質あるなー」 窓を見たら、男が悪戯な笑みで俺のことを見ていた。何か言い返してやりたかったが頭がうまく回らない。 そうこうしていると電車のアナウンスが流れ、次は終点だと告げた。 後ろの男は俺のズボンをなおしてくれ、手に小さな紙を渡された。 何だろうと思ってたら電車のドアが開き、いっせいに人が降りていく。 流れるように俺もでるとさっきの男の声が耳元にきこえた。 「君とまた会いたいから、よかったら連絡して」 そう言い残し、そそくさと行ってしまった。 手に持っていた小さな紙を見てみる。 そこには名前と電話番号がかいてあった。 あの人の名前、佐々木拓真っていうんだ……。 そう思い小さな紙をポケットにしまって歩き出した。 まだ疼く身体を引きずりながら、俺は高校に向かったのだった――。 end |