2 痴漢している男は俺のことを女だと思っているんだろうか? でも身長だって170cmと人並みにはあるし、髪だって耳にかかる程度の短髪だ。 顔は……、お世辞にもカッコイイ系統ではないぱっちり二重に長すぎる睫毛。 おまけに肌も白いけれど後ろからは顔は見えない。 ということは俺が男だってわかってるはず。 こいつは変態だ、なんて考えててもお尻を揉む手はとまらない。 後ろの男はどんどん調子にのって、真ん中の線をなぞったりしてきた。 ついにはズボンの中にまで手をいれて触ってくる。 もう「痴漢です!」と叫んでしまおうかとも思った。 けど、男がそんなことを言っても周囲の人たちは冷たい目線を向けるだけで何もしないんじゃないかと思いやめた。 すると今まで後ろを触ってた手を前にもってかれギュッと握られる。 「……んぁッ!」 いきなりだったから大きな声をだしてしまった。 周りの人に気付かれたんじゃないかと見渡せる範囲をキョロキョロしてみたけど特に変化はない。 みんな音楽をきいたり新聞を読んだりと自分の世界にはいっているので気付かれなかったようだ。 と、ホッとするのも束の間。 握られた自身を上下に扱かれ快感が押し寄せてくる。お尻を触ってきたときはくすぐったいようなむず痒いような感覚だったけど 今では完全にくすぐったいとかそういうのじゃなくて気持ちいい。 「…んっ……ふァ……」 唇を噛みしめて声を殺そうとするけどどうしても漏れてしまう。 まだ童貞な自分にとっては刺激が強すぎる。 ましてや人から触られるのは初めてで奇妙な感覚だった。 すると後ろから声が聞こえた。 「可愛いね、君。名前何ていうの?」 耳元で囁かれたため背筋がぞくぞくする。 |