1 いつもと同じ時間――…… いつもと同じ場所――…… いつもと同じ電車――…… いつもと変わらない風景だけれど。 今日は一つだけ違うことが起こった――。 この朝の満員電車にのってから早数ヶ月。 ようやく高校生活にも慣れ始めた。 今日も変わらず、本当に身体がつぶれてしまうんじゃないかというほどギュウギュウづめの電車に俺は揺られてた。 ドア付近の狭いスペースに無理やり入り外の風景を眺める。 高校の最寄り駅まではおよそ30分。 長くもないし短くもない。俺は外を見たり電車内にはってある広告をみて時間をつぶしてた。 そしてふとお尻に何かがあたるのを感じた。 まぁ、このすし詰め状態なんだから鞄があたるのはおかしくないだろう。 特に気に留めるでもなく、今日は放課後カラオケに行こうかとか考え事にふけっていた。 またお尻に何かあたっているような感じがする。 それも鞄みたく硬いものじゃなくて明らかに人の手だ。 優しくサワサワと触ってくるのでくすぐったくて鳥肌がたった。 しばらく撫でるように触られていたけれど俺が何にも抵抗しないからか今度は揉んできた。 「………ぁっ…」 思わず小さく声が漏れてしまう。 自分でも声がでたことにビックリする。 これは真面目にヤバいんじゃないか? いくら満員電車でもここまで手があたるはずがない。 というかもう揉んでいるので100%わざとだ。 |