3 「えっちしたい」 「……え?」 いきなり何を言い出すのかと思ったら。 「でも俺眠いや……」 普通だったらそのままベッドイン。 なんだろうけど俺はどうにも人より性欲がないらしい。 性欲はあるけど、それより睡眠欲のほうが勝ってしまうということだ。 「えー、お願い〜。もう我慢できない〜」 可愛くおねだりしてくるけど、今はそういう気分じゃないんだよなぁ。 楓は今一番盛ってる時期らしくて会う度におねだりしてくる。 普通だったら俺みたいなやつとはすぐ別れたくなるんだろうな。 だけど楓はそんなつもりはないみたい。 だから嬉しかったし安心した。 「じゃあ少しだけベッドに横にならせて。その後ヤろう」 そういうとしょうがないといった感じで手を離してくれた。 楓のベッドに横になった瞬間、急に睡魔が襲ってきた。 本気で寝ようなんて思ってなかったけど、これじゃ本気で寝そうだ。 意識が朦朧としてきて睡魔とたたかうことなく、ゆっくりと目を閉じた。 「え、和人本気で寝ちゃうの!?いかないで〜、戻ってきてよ〜」 半泣きしてる楓の声が聞こえる。 何かこの流れ、俺が死んでいくみたいじゃないか。 心の中で1人ツッコミをしてるとおかしな声が聞こえた。 |