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「弘人見てたら興奮しちゃったんだけど〜」

大河が指さしてるほうを見たら、股間のところが膨らんでいた。
……何でこうなるんだよ。
って俺も人のこと言えないけどな。
俺のも大河と同じような状況になってる。
スカートだからあまり目立たないけれど、主張してるのが自分でもわかる。

何となく勃起してるのを見られるのが恥ずかしいから、足をギュッと閉じて少し内股にした。

「どうしたの? 女の子みたいな座り方しちゃって。顔も赤いし」
「い、いや……何でもないって」

こういうときだけ大河は鋭い。
その鋭さを他のところで発揮してくれるといいんだけどなぁ。

そんな事を考えていると、何を思ったのかスカートを勢いよく捲ってきた。

「……ッ!?」
「あー! 弘人も勃起してる〜!」

だらしない笑顔を浮かべて、わざとらしく幼い口調で言ってくる。
それに今はいつもの下着ではなく、女性用のショーツなのだ。
形はもちろん、もしかしたら透けているかもしれない。
そう思うと恥ずかしさが倍増する。

「みッ、見るなよ」

普段も恥ずかしいが、こんな格好をしてるとイケナイ事をしてるみたいで混乱する。
数秒の間にいろいろ考えながらも、慌ててスカートを押さえようとした。
が、俺よりほんの少し先に大河が顔をうめてきた。

「……ッ!」

生温かい息がかかり、嫌だと思いつつも反応してしまう。

「今、おっきくなったでしょ? 弘人って感じやすいよね」

間近で喋られてさっきよりも息がかかる。
大河は何も考えてないんだろうけど、もどかしくてたまらない。
もうここまできたら早く触ってほしい……!

そんな思いから、自然と足をもじもじしてたみたいだ。
大河からの一言。

「……誘ってんの?」

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