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「おい、だから離ッ……ふっ、ン」

ずっと俺の腹に顔を埋めてたのがいきなり近づいてきて。
そしてキスされた。
思わずギュッと目を瞑る。
されるがままになってると、今度は舌をいれてきた。
「んッ……やめろッ、んふ」

口が離れた瞬間に言葉を紡ぎ出したが、すぐにふさがれる。
……俺がキス弱いの知ってるくせに。

こうやって口内をまさぐられると、理性がどんどん削られていく。
自分で言うのも嫌なんだけど……我慢ができなくなる。

やけに長い時間舌を絡め取られ、口の中にお互いの涎が溜まっていく。
唇が離れたときにツーっと落ちていったが、そんなこと気にする余裕もない。

「はッ、はぁ……だから嫌だって言ったのに。どうしてお前は女装なんかに興奮すんのかなぁ……」

息が乱れているものの、呆れがちに言った。

「弘人可愛い! そのツンデレ具合がたまらないんだよ!」

はぁ!?
俺、デレてねーだろ。
ツンはあるかもしれないが。

やっぱりコイツは頭がおかしい。
でも頭がおかしいヤツと付き合ってる俺のほうがおかしいのかも……。
あれ?俺達どういうきっかけで付き合いはじめたんだっけ。

そこまで考えて一旦中断する。
考えてるうちにゴチャゴチャしてきた。
もう考えるのはやめにしよう。
とりあえず、嫌いじゃ……ないわけだし。


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