4 「おい、だから離ッ……ふっ、ン」 ずっと俺の腹に顔を埋めてたのがいきなり近づいてきて。 そしてキスされた。 思わずギュッと目を瞑る。 されるがままになってると、今度は舌をいれてきた。 「んッ……やめろッ、んふ」 口が離れた瞬間に言葉を紡ぎ出したが、すぐにふさがれる。 ……俺がキス弱いの知ってるくせに。 こうやって口内をまさぐられると、理性がどんどん削られていく。 自分で言うのも嫌なんだけど……我慢ができなくなる。 やけに長い時間舌を絡め取られ、口の中にお互いの涎が溜まっていく。 唇が離れたときにツーっと落ちていったが、そんなこと気にする余裕もない。 「はッ、はぁ……だから嫌だって言ったのに。どうしてお前は女装なんかに興奮すんのかなぁ……」 息が乱れているものの、呆れがちに言った。 「弘人可愛い! そのツンデレ具合がたまらないんだよ!」 はぁ!? 俺、デレてねーだろ。 ツンはあるかもしれないが。 やっぱりコイツは頭がおかしい。 でも頭がおかしいヤツと付き合ってる俺のほうがおかしいのかも……。 あれ?俺達どういうきっかけで付き合いはじめたんだっけ。 そこまで考えて一旦中断する。 考えてるうちにゴチャゴチャしてきた。 もう考えるのはやめにしよう。 とりあえず、嫌いじゃ……ないわけだし。 ×
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