3 やけに短いスカートを手で押さえながらドアを開く。こんな短いと下着が見えてしまいそうだ。 女の子はいつもこんなのを履いてるのだろうか。 「……着たよ。これでいいんだろ」 明らかに不機嫌な声でそう言った。 大河は俺の姿を見た瞬間、パァッと音がでそうなくらい顔を輝かせた。 「超イイ!最高だよ、弘人!」 うるさいぐらい足音をたてながら、こちらに駆けてくる。 そして避ける間もなく物凄い勢いで抱きつかれた。 ドカ、と鈍い音をたて背中から倒れる。 「うわっ!ぐ、くるじいっで……」 「予想を遥かに超えたよ!……可愛い」 最後に呟かれた言葉は聞こえなかったことにしよう。俺は男なんだからかっこいいと言われたほうが嬉しい。 ……だけど好きな人に言われて、心のどこかで嬉しいと思ってる自分がいる。 これでも一応あいつのことが好きなんだ。 じゃなければココでこんなアホなことしてない。 「もう済んだろ、俺は着替えるからな」 変なことをさせられる前に着替えようと思って。 しかし立ち上がろうとしても大河が腕を離してくれない。 嫌な予感がする……。 というか嫌な予感しかしない。 何が何でも、この腹に巻きついてる腕を離そうと力ずくで引っ張る。 だがいくらやってもビクともしない。 俺、そんなに力弱かったっけ? しばらく考える。 ああ、コイツがバカ力なだけか。 ×
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