1 プルルルルル 「佐々木さんケータイ鳴ってるよ」 「悪い、ちょっととってくれるかな」 「はい」(携帯手渡す) 「もしもし?」 「…………」 「おう、優香か。何か用か?」 「(女の人……)」 「あ〜、悪い。今、人といるからさ」 「…………」 「あぁ、ごめんな。ん、じゃ、また」ピッ 「…………」 「どうした? 俯いちゃって」 「……しょ」 「え?」 「今の電話、彼女でしょ! 俺となんかいないで彼女のとこ行けばいいじゃん!」 「……プッ」 「何で笑うんだよ」 「かわいいなぁって思って」 「はぁ? い、意味わかんないんだけど」 「今の、後輩の女の子だよ」 「え……? で、でもその人佐々木さんのこと好きなんじゃないの。電話するぐらいだし」 「ないない。アイツ、超ラブラブな彼氏いるし。見てるこっちが恥ずかしいくらい。今はみんな飲んでるから来ないかってお誘い」 「…………」(赤面) 「ほんとかわいい! 嫉妬しちゃったんでしょ?」 「嫉妬じゃないしっ」 「大丈夫だよ、俺には俊しか見えてないから」 「……ッ」 end |