4 ****** ――という流れでこういう状況になってしまった。 そんなの自分で勝手にはずしちゃえ!と思うかもしれないけど、これが俺の性格なんだ。 「……んッ、ぅん……」 不規則に動くバイブだから時折イイところにあたる。そのたびに大きくビクッとしちゃうから、誰かに怪しまれてないか不安で不安で……。 「――じゃあ次は……白石、P73から読んでくれ」 「えッ」 突然自分の名前を呼ばれ、ビックリしてしまう。 というかこんな状況じゃ教科書を読めそうにない。 口を開けたらきっと声が漏れて音読どころではないだろう。 「ンッ、ぁ、えっと……」「どうした?ちゃんと話聞いてたのか?」 ローターのせいで集中できないから先生の言う通り、話は聞いてないんだけど……。 それ以前に気持ち良すぎて口が開けないんです。 ……なんてことをもちろん言えるはずもなく、ただただ黙るのみ。 あぁ、今すごく泣きたい気分。 「先生、コイツ具合悪いみたいなんで俺が読みます」 どうしようどうしようと焦ってた俺に助け船をだしてくれたのは達也。 「白石そうだったのか。言ってくれれば良かったのに。保健室行くか?」 「ぃ、いえ……大丈夫、んッ、です……」 はぁ、良かった……。 チラリと達也を見てみるといたって普通の顔で教科書を読んでいる。 ほんと達也は人が困ってると助けてくれるヒーローみたいな奴だ。 こいつと友達になれてよかった。 って、安心して気を抜いてなどいられない。 今日はいつでもどこでも気を張らないと! |