贈り物 | ナノ
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「海――っ!!」

健悟のうれしそうな声が響く。

夏の盛りの海は、真っ青な空とも相まって本当にきれいだ。


「大きい―・・・」

果ての見えない海。
久しぶりに見たそれに、思わず魅入ってしまった。

「由希。とっとと行くぞ。」

頭にぽんとのせられた手と共に、僕は走り出した。




泳いで、ボールで遊んで、砂でアートして、健悟を埋めて、また泳いで。

とにかく僕らは遊びまくった。

灼熱の太陽の下での全力の遊びは、ものすごく体力を消耗した。


「体がだりぃ・・・」

龍でさえも疲れた顔で、ザクザクとカキ氷を食べてる。

「そんな一気に食べると、キーンってなるよ。」
さっきの健悟みたいに。

そう続けると、健悟は恥ずかしそうな顔をして、龍は薄く苦く笑った。


熱されたからだが、徐々に冷やされていく。

口に入った氷から。
手に持った容器の冷たさから。

だけど、むっとたちこめる気温に、また汗がにじむ。

真夏の海だ。

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