贈り物 | ナノ
飛沫、きらめく



照りつける日差しの中で、
広大な海で、
暑い夏に、

僕等は輝いていた。





『海に行こう』

唐突に、そう決まった。

大賛成だった僕は、嬉しくて、前の晩はなかなか寝付けなかった。
まるで小学校の遠足の時みたいに。

だけど、寝付いた後はすぐにぐっすりと眠れて、心地よく朝を迎えた。


僕らの住む県に海はないから、電車で隣の県まで行く。

龍のとなりに僕、そのとなりに健悟。
並んで、程よく空いている電車に乗った。

田舎ではないんだけど、何せ盆地だから。

面積のわりに企業は少ない。

だから、そんな満員電車とは無縁なんだよね。


僕達は、他愛もない話をしながら電車の中を過ごした。

夏休みに入って起こった出来事だとか、予定だとか、課題だとか。


重要な話なんかじゃないけど、楽しかったし、話題は尽きなかった。

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