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今すぐにでも押し倒したくなる。
このもどかしい想いを、更夜に対しては熱くなる体を、ぶつけたい。
僕の見たことがない顔が、誰も見たことのない顔が見たい。
僕だけに、僕だけが。
更夜に近づく他の奴等なんて、消し去ってしまいたい。
醜い独占欲と、歪んだ支配欲。
確かに、僕の心は濁りきって黒く染まっている。
だけど、目を背けることはしない。
僕は僕で、ただ更夜を愛しているだけ。
世界中で、更夜にだけ愛を注いでいるだけ。
今はまだ、伝えていないけど。
いつかは、真っ直ぐに思いを口にする。
拒絶された時の恐怖?
決まってるでしょ。
そんなこと考えない。
何でか、って?
それまで、念入りに根を広げるんだ。
更夜が、僕を選ぶように。
努力なんて惜しまない。
他はどうなったっていい。
ある昼下がりのお勉強会。
それは、彼と一緒にいられる甘い時間。
それすらも、策をめぐらすための重要な時間。
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