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「…っだ…いすき…っ」
必死で背中に手を回してしがみつくと、ぎゅっと抱きしめる力が強くなった。
やっと僕らは、通じ合った。
今思うと、ぐだぐだしていた自分がもどかしくてたまらない。
だけど、長い長い遠回りをしたけど。
もう、どうだっていいや。
だって、すごく幸せだ。
世界中で1番幸せ者な気さえしてくる。
いきなりの幸せに、崩れてしまいそうなくらい。
腕に力を入れれば、答えるように抱きしめ返してくれた。
あたたかい
心地よい体温といつもより少し速い心臓の音に安心する。
花火はいつの間にか消えていた。
涙もいつの間にか笑顔になってた。
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