ぼちぽち | ナノ
光って何?


涙が止まらない。

寂しいとばかり思っていたけど、今ばかりは両親が居なくて良かった。


なんで、涙があふれるんだろう。

恐怖、絶望、悲しみ、不安…。
どれもが当てはまるようで、どれとも言えない。

龍に嫌われたら、離れてしまったら。
そう考えると、胸がきりきりと痛む。


逃げなきゃ良かった。

自分に対する強い非難と後悔が押し寄せる。

だって、ほとんど何も伝えられなかった。
どこが、なんで、いつから、どのくらい好きなのか。
龍には全く伝わってない。


だけど反対に。

満足もしているんだ。

だって、なんで幼なじみで同性の龍を好きなのか、とか。
いつから、どこが好きなのか、とか。

僕だって分からない。

きっとあれが、好きっていう気持ちだけが、確かなものなんだ。

そう思うと、頑張れた自分が誇らしい。

散々悩んで、臆病な僕が思い切って勇気を出したんだ。
結果は仕方ないよ。



いつの間にか涙は止まって、変わりに胸の中を風が通っていった。




さみしいけど仕方ない
仕方ないけどさみしい



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