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そのまま健悟に背を向けて入り口へと歩く。
龍はもう先に歩き始めていた。
「由希！」
教室から出る瞬間に、腕を掴んで引き戻された。
驚いて見上げると、健悟は僕の耳元に口を寄せた。
「由希は･･･、後悔しねぇの？いつまでこのままでいるつもり？」
真剣な声に、体が固まる。
僕の醜さをえぐる言葉。
だって、だって･･･。
弱い僕が、言いわけを探す。
「怖い気持ちと、好きな気持ち。どっちを大切にしてぇの？」
健悟は耳元から顔を上げた。
僕は、押し黙る。
歪んだ僕の顔を見て、健悟は笑った。
「大丈夫だから。」
輝くような笑顔で言い切って、そっと僕から手を離した。
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